ほとんどの魚を測定できる。子供の身長も測ることができる。
それらを刻印して残せる。
そんなアルミ製メジャーボードを自作してみた。
なんで作ったのか
最初は

我が子よりデカい魚と子供並べて写真撮りたいなぁ。
から始まったのである。具体的には子供が産まれたときくらいから。
まぁそのうち釣れるやろ…。とか軽く考えていたのだがそんな機会は訪れず、子供はみるみる大きく育ち、気が付けばキハダクラスに成長していた。
これはマズイ。奴らがどこまで大きくなるか知らんけど、うかうかしているとトローリングとかに手を出さないと達成できなくなってしまう。
そう思いぼちぼちと準備を進めていて、今回作ったメジャーボードもその一環になる。
- 達成できるか分からんけど、達成できたときに既製品のメジャーでは対応できない
- 工事用メジャーとかの転用は味気ない気がする
- 無い物は作る
- どうせ作るなら、少しでも使い道の多い物が良い
などと考え

子供の身長を定期的に測って記録してけばいいんじゃね?
という発想に辿り着いた。
イメージとしては大黒柱に成長を刻み込んでいくあのイベントである。実物見たこと無いけど。
メジャー本体に記録すれば、釣った魚が子供の何歳の時より大きいか比べることもできる。
何ならメモリアルな魚も記録しておけば、魚同士での比較も分かりやすい。
コンパネみたいな木製合板に工事用メジャーシールを貼るのがお手軽で安上がりだけど耐久性が心配で却下。
ターポリンみたいな素材にメジャーを印刷してもらうのも思いついたけど、マジックで書き込んだ記録が消えそうなので却下。
耐久性が高いので、アルミ製のメジャーボードでやることに決めた。カッコいいし。
子供達がどんなに大きくなっても2mは超さない、…と思う。なので2mで作れば一生モノができるはずである。
よって、2mのアルミ製メジャーボードを作ることに決めた。
下調べと材料選定
自作するためにアルミ板とメジャー部分をそれぞれ用意しないといけない。まずは下調べからである。
アルミ板
以前アルミ板を通販したことがあるのでアルミ板の通販に抵抗は無い。
問題はどんな物を購入するのかである。
まずは素材。アルミといっても種類があり、海で使われるのは耐蝕性の高い(サビに強い)A5052、A5083など。
次に寸法。長さは2mと決めたが、幅と厚さも決めないといけない。
最後に購入先。アルミ板を扱っている通販先は4つほど見つかったが、取り扱う商品や値段、R加工の対応などオプションの有無もそれぞれ違う。
全く知識が無いのでAIに相談しながら調べていく。
数日悩んで、以下の条件のアルミ板を購入した。
- 素材
A5083。より硬く、しなりにくい素材を選んだ - 寸法
2000mm×400mm×3mm。身長を測るための長さ2m、シンクに置ける最大サイズの幅40cm、A5083材で最薄の3mm、というサイズ - 購入先
E-Metals。条件に当てはまるアルミ板が一番安かった
年末休暇に入ってからの注文だったので注文受付が年明けの1/5。1/8に発送連絡があり、数日で到着した。

メジャー
釣り用の既製品で2mのメジャーという物は無いので、他の物から転用するか特注するかの二択になる。
他の物から転用する場合は、工事用・スポーツ用・手芸用の巻尺などを切って使うのだろうけど、幅が狭くて目盛が小さいのが懸念点。
工事用の紅白メジャーは最小単位がcmな上に、前述の通り味気なく感じる。
釣り用の既製品で1mの物をつなぎ合わせれば目盛の小ささは解消するが、80cm→90cm→100cm→10cm…と写真映えしない目盛配置になりそうである。
いっそアルミ板に刻印入れたりレーザー加工したりも考えたが、板が大きすぎて現実的では無い上に予算も現実的ではなくなってしまう。
色々悩んだ末に地元のメジャーボードメーカーに相談したところ、特注のメジャーステッカーを受けてくれるとのこと。
デザインも良かったので、こちらでお願いすることにした。
メジャーステッカー受取
特注メジャーステッカーを受けてくれたのはKS Craft(ケイエスクラフト)。

年末にサイズ等の相談に乗って頂き、年開けて中旬ごろにデザインの提案。多少の修正をしてもらい、1月下旬にステッカーが完成した。
折しもフィッシングショーやメーカーコラボなどで忙しい中ご対応頂いてしまい申し訳なかったが、おかげさまで気に入った物が完成した。
自宅から行ける範囲だったので直接受け取ることに。訪問すると、工房にあげて頂き色々とお話を伺うことができた。
代表の曽根ビルダーから直々にメジャーステッカーの貼り方とアルミ板の処理の仕方も教わることができ、更にお土産も頂いてしまった。非常に有意義な時間を過ごすことができた。

- 通常は長150cmまでしかない物を、200cmにした
- 通常は幅5cmの物を、10cmにした
- それに伴いサイズの調整をした
という特注品。
アルミ板の上辺と下辺に貼るので、目盛の配置には我儘を言わせてもらった。

製作
材料は全て揃った。後は加工していくのみである。
アルミ板の加工に2時間半。ステッカー貼り付けに3時間。
分けてやったので概算になるが、6時間くらいかかった。
道具・材料
- コーナークランプ
- スコヤ
- 定規
- 差金
- 円形定規
1円玉(R10)で代用 - ケガキ針
- マジック
- 鉛筆
- 金切鋸
- ダイヤモンドヤスリ
- ワイヤーブラシ
- 紙ヤスリ
#240、#600 - 当て木
- カッター
- コロコロ
- 古雑誌
- スキージー
- メガネ拭き
- キッチンペーパー
- パーツクリーナー
- 養生テープ


- アルミ板
2000mm×400mm×3mm
A5083アルミ材
送料込
約18,000円
- 特注メジャーステッカー×2
長200cm×幅10cm
デザイン料込 - 既製メジャーステッカー×2
約25,000円
計:約43,000円
アルミ板の整形
まずはアルミ板の開梱。
ビニールを解くとMDF材に包まれており、その下はポリラミ紙。
それを開けると保護シールが貼られたアルミ板が出てくる。
すげぇ厳重なのである。
これらの梱包資材を広げて、その上で作業するようにすれば室内を汚さずに済むので丁寧に開梱した。



角がとんがっていて危ないので丸める。
ケガキ線を引くため少しだけ保護シールを剥がす。アルミ板の表面を保護しておきたいので、剥がすのは少しだけにしておく。

コーナークランプをピタリと当て、それに一円玉をくっつける。

一円玉が動かないようにしっかり押さえてコーナークランプを外し

ケガキ針で線を引くと、R10(半径10mm)の線が引ける。

金切鋸で荒く切り

ダイヤモンドヤスリで整形する。
アルミ板の下に古雑誌を入れて少し浮かすとやりやすかった。
アルミ板に対して直角になるように動かすと、ダイヤモンドヤスリが外れず作業が捗った。

この段階でかなり金属屑が出ているので一旦掃除する。

当て木に#240の紙ヤスリを巻き、角を削って滑らかにしていく。

ついでに側面のバリも落としておく。

全角・全側面を#240で整えたら、当て木の紙ヤスリを#600に変えて仕上げ。
滑らかになるまで、そして気が済むまで削る。

気が済んだらそこで終了。
手作業でも引っ掛かりが無くなるくらいツルツルにすることができた。

アルミ板の整形は完了である。
メジャーステッカー貼付
整形したアルミ板にメジャーステッカーを、既製品2枚・特注品4枚の計6枚貼り付ける。
魚を測る機会が多い0cm~75cmはメジャーを4枚にして、写真をとってもわかりやすくなるように。
子供の身長が主になる75cm以降は空白地帯を多くして、記録を書き込めるようにしてみた。
特注品は1m×2枚(0cm~102.5cm、102.5cm~200cm)で2mとなっているのだが、

1mのステッカーを一人で真っすぐ貼れる気がしない。
子供達が寝付いてから、奥さんに手伝ってもらって貼ることにした。
身長を測る都合で0cmスタートにしたいので余白を切り取る。

既製品のステッカーも同じように加工し配置を考える。

大まかな位置は決めてあるのだが、ステッカー間の隙間をまるで考えていなかったので悩んでしまう。
結局考えがまとまらず、上下の特注ステッカーを貼ってから、余ったスペースを均等割り付けにすることにした。

保護シールを剥がして念の為パーツクリーナーで拭く。
油っ気は無かったが、加工したときの金属粉みたいなのが付着していた。

黒ずみが無くなるまで拭いたら眼鏡拭きで再度拭く。

貼りたいラインに鉛筆で線を引き

それに合わせて貼り付けていく。
最初は『貼りたいラインと裏紙のフチを合わせると、実際に貼りたい位置にステッカーが来るよう』に計算してラインを引いたのだが、この方法はどうしてもズレてしまうので没。
また、スタート位置を養生テープで固定して貼り付けたのも、養生テープで微妙にズレてしまうので没。
結局
- 実際に貼りたい位置に鉛筆で印を付ける
- メジャーステッカーの裏紙の端っこを5cm程度剥がす
- 貼り始めたい位置に慎重に貼る
- 鉛筆の線に沿って、少しずつ裏紙を剥がしながら貼っていく
という方法で落ち着いた。

この方法でも多少はズレてしまうのだがズレが少なくて多少はマシ。
そもそもテープが丈夫なので剥がして貼りなおしても大丈夫。何度も剥がして貼りなおして、多少の誤差は徐々に曲げながら帳尻を合わせて行き…、と少しでも真っすぐになるように貼っていった。

綺麗に貼るにはスキージーが欠かせない。
ダイソーのインテリア(リフォーム?)コーナーにあるもので、壁紙などを綺麗に貼るための道具である。
工房で教わった道具なのだが、驚くほど手軽に綺麗に貼ることができた。

最難関の100cm部分のつなぎ目も分からないくらいに綺麗に仕上げることができた。


余り引っ張ると伸びる可能性もありますよ
とアドバイスを頂いていたが、2箇所で測って誤差コンマ1mm単位であった。
貼り付け成功である。


最後に200cm方向のはみ出した分をカットして無事完了。
物としてはコレで出来上がりである。

記録
さあ物は完成したけどどうやって記録したもんか。
当初はマジックで書きこむ予定であったが、すぐに消えそうなのでやっぱりやめた。
色々ある中で選んだ方法が打刻。打刻印を購入し、直接打ち込んでいく方法である。
道具
打刻印だけでは真っすぐ配置できないので、定規的な物も必要である。
そもそも打刻印も持っていないのでAmazonで購入した。
- 打刻印
- 打刻印(ドット)
- プロトラクター
角度計付定規 - 厚みのある木材
- 鉛筆
- ハンマー

この打刻印は凄く中華クオリティだった。
油べっとりなのでそのまま使えず、パーツクリーナーで1本ずつ洗浄しないといけない。で、洗っちゃうとすぐに錆が浮いてくるのである。
しかもケースも割れて到着した。

ドットがセット内に含まれていないので別に購入したのだが、国産品のドットとは明確にクオリティが違った。
練習
多少文句はあるが打刻するのに問題は無い。
練習がてら、裏面に製造年月日を刻印することにした。
最初に木材に打刻してみて文字の向きや配置を確認する。

打刻したい場所に鉛筆で線を引き、木材をあてがう。
あてがった木材をガイドに打刻していく。

作業自体は単純だが、真っすぐ打刻印をあてがって1発で打ち込まないと綺麗な文字が出ないので神経を使う。
とりあえず製造年月日を打刻することはできた。

本番
さあいよいよ本番である。当初の目的の

大黒柱に成長を刻み込んでいくあのイベント
を再現するときが来た。
まずは子供の身長と体重を測る。
幼稚園とかで測った数字があるから測らなくても打刻は出来るのだが、このメジャーボードで測ることに意味があるのである。多分。

プロトラクターで計測した身長の数字辺りに線を引き打刻していく。
打刻の内容は、身長・体重・計測日・名前の四つ。
魚を記録する場合も同じ内容で記録するつもりである。

文字間の配置が適当だったり、文字がかすれていたり、文字を間違えたり、プロトラクターで線を引くところを間違えたり…。
散々失敗したが、我ながら味のある記録が仕上がった。
打刻の改善
文字のかすれは、打刻印を直角に当てることができれば一気に改善しそう。
コーナークランプ(厚みのある直角定規等)を使えば解決できるので、次は試してみたい。
保管
物が大きくて重いだけにしまう場所が限られる。
その上、取り出しやすい場所に置かないとめんどくさくて使わなくなりそう。
家の中色々見て回っていい場所を見つけた。冷蔵庫の裏である。
そのまま放り込むと床を傷めるので養生したい。梱包に使われていたMDF材を下に引くことにする。薄いMDFなので加工も手間じゃないはず。
適当な幅で線を引きカッターで切れ込みを入れる。なかなか入らないけど、カッターの刃を新品にして何度も切ってればそのうち切れる。

切れたら折り曲げて

最後の薄皮をカッターで切って切り離す。

冷蔵庫の裏に敷けば準備OK。

収納するとこんな感じである。
邪魔にならず忘れない。魚を測るキッチンにも、子供を測るリビングにも近い。
まさにベスポジだと思っている。

製作の反省
他に作る方も居ないと思うのだけど、折角なので製作の注意点を残しておく。
重たいので取り回し注意
作っている最中取り回しがとにかく悪い。
特に角とバリを削る前の板は下手に落とすと怪我するであろう。
しっかりと準備・養生してから加工に取り組むこと。
家の中でやる時は掃除小まめに
角のR加工やバリ取りは思っている以上に金属片や粉が出る。
床も傷めるし怪我の元にもなるので、マメに掃除しながら加工した方が良い。
金属加工は軍手した方が良い
怪我もそうだが、落ちづらい汚れで凄く汚れるのである。

バリを触って確認しながらやりたかったので素手で取り組んだが、軍手着けた状態である程度作業して、確認するときだけ軍手外すようにして作業すれば良かった。
ステッカーの終わりは最後にまとめて切る
余白を切る時200cmの方も合わせて切っていたのだが、最後に微調整で切るので意味が無い作業になってしまった。
しかも、ステッカーが伸びて寸法がズレた場合、事前に切ってしまっていたら帳尻が合わなくなってしまう。
0cm方向は余白を切ってから貼っていき、200cm方向は貼り付けた最後にアルミ板の縁に沿って切れば二度手間にならず綺麗に合わせられる。

